2009年3月27日のブログ「Big Heart」


15連敗。 チームの事ではありません。 たしかにチームも長い連敗中でプレイオフ進出の現実味は薄れてしまいましたが、チームの最後の一人が希望を失うまで、自分はコーチと選手を信じて自分ができる貢献をするまでです。 バスケの1on1の話です。1人の相手に対して、ここまで負け続けたことはありません。 相手は、skill developmentがメインの役割であるassistant coach、コーチK(41)。 NYで生まれ育ち、カレッジ時代はUniversity of RichmondをSweet16まで導き(彼の平均得点は20点近く)、プロとしてはヨーロッパを中心に13年間プレー。 ポジションはPG, SG。 その後はGeorgia(ヨーロッパの国)のナショナルチームのコーチや、NBAのスカウト等を経て、去年はHouston RocketsでAssistant coachを勤め、今年からは生まれ故郷のNYのチームであるKnicksのAssistant coachを勤めます。 毎日の練習後に彼は2人の選手のシューティングドリルを担当していて、自分は彼の手伝いをします。 リバウンド、パス、スクリーンだけに留まらず、ディフェンスやランニングプレーの役までやらせてくれるので、一日のお気に入りの時間の一つです。 彼は忙しいので、頻繁にというワケには行きませんが、1on1の相手をしてもらっています。 その結果が、今のところ15連敗。 とんでもない41歳です。 選手と対等にスリーポイント勝負ができるシューティング力。 スリーポイントは、自分が認識できているだけでも、3通りの足のセットの仕方、2通りの腕の振りかぶり方を、ディフェンスに合わせて使ってきます。 それに加えてドリブルのフェイクも組み合わせてくるので、打たせてはいけないと分かっていても、止めきれません。 彼は彼のムーブで攻めるというより、俺のディフェンスを読んで攻めてきます。 それも、一つのムーブを止めても、それに合わせて二つ目を仕掛けてきて、それを止めても三つめが来る。 それにこらえて完璧に止めたと思っても、体の強さでスペースを作られて、どちらの足でも踏み切れるランナーやレイアップでねじ込まれます。 ディフェンスも、俺の持ち味が全然出せません。 得点できないワケではないけれど、自分の理想の形でシュートにもっていく事は容易じゃありません。 絶妙な間合いと、駆け引き、体の強さ。 自分達の1on1を見ている周り(自分が普段一緒にバスケをする人たち)からは”Do what you do agaist us!”などと言われますが、それができないんです。 剣道をやっていた時、上段で構えるある先生を前に動けなかったのと似た感覚を覚えます。 何をしても読まれている感覚。 そして、なによりも凄いのが、なにがなんでも負けないという意思。 Mental Intensityとでもいうのでしょうか。 コートに倒れた時に、手を差し出してもひっぱたかれます。 自分だって、なんとしても勝ってやるという気持ちで挑みますが、認めたくはないけれど、威圧されます。 その意思の出所が、自分には敵わない深さがあるんです。 "too strong, too skilled, and too big heart" 彼の勝ち台詞です。15回言われました。 彼のメンタリティーは、NYのプレイグラウンドで培われたそうです。 彼の幼少時代、NYのストリートでプレイする白人は少なく、彼のプレイグラウンドでは彼以外の白人プレイヤーはいなく、1人で黒人選手に混ざってしのぎを削ってきたといいます。 学生時代、全米で最も多くのブザービーターを決めたという話を選手から聞きました。 とても無骨な感じの人で、特にプレイ中はガンガンにトラッシュトークを浴びせてくるけれど、その中に自分を認めてくれている空気があるし、冗談も言い合える、一番仲がいいコーチです。 残りのインターンの期間は、最短だと1ヶ月強。 なんとしても勝ち星を上げてみせます。 ちなみに彼は、去年Rocketsで働いている時に、a.k.a Skip to My Louに1on1で勝ったらしいです。


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